GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「あれ?もしかして高橋告ったの?」
「おー」
「お?カップル成立か?」
「それがコイツ、別な奴に片思い中でなっかなか振り向いてくれねぇとこなんだよ」
「そりゃ頑張んねーとな」
そう言った辻本くんは隣の席の子に呼ばれて、身体を前に向けた。
「というわけだ」
快二が言うけど、そう言われても何を言えと?
「お前の返事とか聞かなくても知ってるからいらない。でも、考えてて。俺がお前の彼氏候補ってこと」
ずっと友達だと思ってた。言い合いや喧嘩は誰よりもするけど、いい奴だって……頼りになる男友達だって思ってた。
「か、考える余裕なんてない」
あたしの頭は現状況をやっと飲み込めたくらいなのに。
「はい、プリント終わったかー?」
先生が声をあげる。
よかった、この微妙な空気から解放されるよ。むしろ、早くこの授業時間が終わってほしい。
「あー、疲れたっ」
お昼休み。あたしは雪と花蓮と机を合わせたあと、机に顔を伏せた。