GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「俺達のクラスかな?」


「先輩達も速いからなぁ」


周りの奴が言葉を交わしながら、帰ってくる生徒を待ち遠しく思っている。


「うわぁ、誰だろっ」


准も目を輝かせながら正門に目を向ける。俺も楽しみだ。


「帰ってきたぞ!」


誰かの一言で校庭にいた全員の視線が正門に向かう。


「え!1年じゃん!」


「早くね!?」


なんと、1位は1年。てっきり3年の駅伝にかけてる先輩達だと思ってたのに。


「すんげーミラクル起こったな」


「うわ、先輩達悔しがってんぞ」


「あ!駅伝の先輩が勧誘しに行ってるし!」


そうそう、この駅伝大会で足が速いと思われた奴は、駅伝部の先輩+顧問に数ヵ月は勧誘されるらしい。なんとも皮肉なことだ。


「俺もミラクル起こせますようにっ」


俺の隣で一生懸命に祈る男、准。


そんな彼に俺は言う。


「もうミラクル起こりませんよーにっ」


「ひでーなぁ、快二」


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