GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「だって、城薗取られたくねぇもん」
今日ばかりは素直なんだよ、俺。いや、城薗に告白してからストレートに気持ちは言ってんだよ、俺。
そして、駅伝組の生徒が全員帰ってきて、俺達マラソンコース組はスタートラインに並び始めた。
周りはチャレンジャーだけど、足が速い奴ばっかり。少数だけど、女子の参加もあるから、男として負けらんねーってどいつも言ってた。
『位置について』
負けねぇ。
『よーい』
潤ににも。俺自身にも。
『パンッ』
城薗を振り向かせるためにも。
スタートダッシュは、まぁまぁ。先頭集団の次の集団について走る。まず、校庭を3周走ってから道路へ出るルートになっているこのマラソンコース。
この3周は、駅伝が終わった生徒達や城薗が見てるから、意識的にカッコつけてしまう。
そして、走りながら生徒達の中のどこに城薗がいるかを探す。でも……どこいんだよ、アイツ。なっかなか見つからねぇなぁ。