GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
城薗の姿を探していた俺だけど、ふと准のことが気になって、後ろに目を向けると、准は俺と校庭の半周以上の差がついていた。
ココまで来るとは思ってないけど、アイツもかなり本気だ。マジで負けてらんねぇわ。
「頑張れ~!!」
そして、声援を受けながら校庭3周を終えた俺は、先頭集団に続いて正門を出て車道へ向かった。
「はぁっはぁっ……」
使い慣れたランニングシューズで、道路を蹴り上げながら前に進む。
どんどん息が荒くなっていく。走る速さも自分のペースになり、前を走る奴の背中を追いかける。
歩道には、生徒の親達がチラホラ応援に来ている。保護者の声援が飛び交う中を走り抜けながら、頭の中にぼんやりと浮かんできたのは、城薗と初めて会った時のことだった。
『あたし、城薗奈央っていうの。よろしく!』
前髪がパッツンで今より幼くて、元気のいい奴っていう印象だった。
城薗とは出席番号順が近くて、グループ学習で結構同じグループになることが多かった。それから仲良く……ていうか、何でも言い合う仲になって、気がつけば俺の中に城薗への恋心が芽生えた。