蟲狩り少女
☆☆☆

夕花ちゃんの家まで車で3時間。


高速道路を使っても2時間はかかる。


お母さんの運転する助手席に乗って、あたしは夕花ちゃんのことを思い出していた。


同い年だけれど背が高くて手足はスラッと長い。


夕花ちゃんのお母さんはそんなに高身長じゃないけれど、お父さんがとっても大きい人なのだ。


180センチ以上あると聞いた事がある。


きっと夕花ちゃんもその血を引いているんだ。


名前の通りパッと花が咲くような明るい笑顔の子で、誰とでも仲良くなれる社交的な性格だった。


あたしと夕花ちゃんの性格は正反対だけれど、同い年のイトコということでとても仲良しだった。


夕花ちゃんの事を思い出していると、自然と笑顔がこぼれる。


「楽しそうね、里音」


「うん! 楽しみ!」


あたしは大きくうなづいて、そう返事をしたのだった。
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