蟲狩り少女
「「悲しき人間に宿る蟲たちよ お前たちに罪はない 人間の命をうばう事が宿命ならば お前たちの命を狩る事になる どうかこのまま静まりたまへ 来た道を戻り 人間を救いたまへ」」


2人の声が部屋の中に響き渡る。


胸の底から発せられた重低音をおびていて、ビリビリと空気を震わせた。


そして……。


バンッ!!


と、一階大きな音がした瞬間、大量の蟲たちはすべて水になっていた。


大きな水風船が割れたように、その場は水浸しだ。


しばらくその光景に唖然としていたあたしだけれど、すぐに我に返りベッドへと駆け寄った。


「お母さん!」


叫びながら布団をはぎ取る。


そこにはお母さんがいた。


体をくの字に曲げて、まるで体内にいる赤ちゃんのような姿で、震えている。
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