ひねくれ作家様の偏愛
エントランスを駆け抜け、ロータリーでタクシー乗り場に向かう海東くんの後ろ姿を見つけた。
「海東くん!!」
私は叫んで駆け寄った。
私の声が聞こえているのに振り向くそぶりのない海東くんの背に飛びつく。
背中に両手をつき、逃すまいと咄嗟にジャケットを握ってしまう。
「離してください」
海東くんの声は静かだった。
温度を一切感じない声音だった。
「話聞いて!」
「言い訳ですか?」
海東くんが私の手をやんわりと外し、こちらを向き直る。
ぞっとした。
彼の瞳は先ほどよりずっと暗く、もう何も映していなかったから。
「海東くん、誤解しないでほしい……!」
「飯田さんと付き合うんですか?」
私の言葉を遮る海東くんの声がひやりとしたものに変わっていた。
視線も表情も、彼のすべてが冷たい氷のよう。
「海東くん!!」
私は叫んで駆け寄った。
私の声が聞こえているのに振り向くそぶりのない海東くんの背に飛びつく。
背中に両手をつき、逃すまいと咄嗟にジャケットを握ってしまう。
「離してください」
海東くんの声は静かだった。
温度を一切感じない声音だった。
「話聞いて!」
「言い訳ですか?」
海東くんが私の手をやんわりと外し、こちらを向き直る。
ぞっとした。
彼の瞳は先ほどよりずっと暗く、もう何も映していなかったから。
「海東くん、誤解しないでほしい……!」
「飯田さんと付き合うんですか?」
私の言葉を遮る海東くんの声がひやりとしたものに変わっていた。
視線も表情も、彼のすべてが冷たい氷のよう。