ひねくれ作家様の偏愛
「ちなみに桜庭については、俺も諦めてないんで。そこはよろしく」


前言撤回。
俺はぬけぬけと言い放つアホの飯田にはっきりと宣言した。


「渡すと思ってんですか?千弥さんは未来永劫、俺の女です」


「いやいや、海東センセ若いな。明日のことなんか誰にもわかんないですよ?桜庭が俺の魅力に気付いちゃう日だって来るかも……」


「ありえませんね。死んでください」


俺はばっさりと言って企画書を仕事部屋に置くと、飯田を追い立てるように自分も自宅を出た。スポーツバッグを持って。






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