ひねくれ作家様の偏愛
俺はこうして何度も彼女に恋をする。

俺だけの千弥さん。
彼女はこの関係を共依存だと思っているようだけど、理由付けも原因究明もいらない。

彼女を一生束縛できるなら、どんな理由だっていい。


「じゃ、なんで機嫌悪かったの?」


千弥さんがおずおずと問うてくる。
わずかでも不安にさせたことが悔やまれた。
もっと安寧に溺れさせたい。


「それはベッドの中でお話します。……せっかく買ってきてくれた夕食。あとで温め直すのでもいいですか?」


「いいけど……シャワー浴びたいかな……」


「それは駄目。そんなに待てない」


こんな問答をしてる間に、俺の抑えも利かなくなる。
もう一瞬だって待てないほど。

俺は手近のソファに千弥さんを押し倒す。
驚いた声をあげる彼女の唇を三度塞いだ。

ああ、結局がっついてしまった。
こういうところがガキなんだ。

だけど、千弥さんが望んでくれるなら、どこまでも彼女を貪りたい。
< 271 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop