ひねくれ作家様の偏愛
「桜庭さんは料理なんかしないでしょう」


「一人暮らしだし、たまにするけど。人に食べさせられるものができるかっていうと自信ないかな」


「食べさせる相手なんていないクセに」


ムッとしたけど事実だ。
そして、嫌味を言いつつ海東くんは上機嫌のまま。
調子に乗らせておこう。


「ところで、プロットっていうのは……」


「学習能力ないですね。食事中ですよ。終わったらです」


ばっさりやられた。
ダメか。やっぱり、こっちの思う通りになんか動いてくれない。


「あー、ニンニク効いてて美味しい」


しょうがないので、もう一度料理を褒める。
彼の機嫌取りじゃない。
話すことがないからだ。

夜の海東くんの部屋なんて、困惑することばかり思い出すから。
< 63 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop