ひねくれ作家様の偏愛
「これだけお互いニンニク臭いと、キスしても気にならないでしょうね」


海東くんの発言に、私はペリエを吹き出しそうになる。
落ち着け。
他意はない。

案の定、海東くんが続けて言う。


「彼女と一緒にニンニク料理を食べたことがなかったので、わかりませんね」


「彼女か。今はいるの?」


「特定の人はいませんよ」


「そっか残念」


私が気を利かせたつもりの会話に、海東くんが眉をひそめた。


「なんで、残念なんですか?俺、彼女いた方がいいですか?」


「いや……恋愛は……作品にもいい影響になるかな、と。ほら、『アフター・ダーク』は青春群像の中に高校生たちの恋愛を匂わせていたでしょう?ああいうの、好きだなって」


「あんたは何かにつけて『アフター・ダーク』を引き合いに出す。不愉快ですよ」


だって、好きなんだもの。
きみの代表作が。

もちろん、彼がシナリオを手がけた作品はすべてプレイした。他社発売のゲームだって。
私は彼の作品を愛している。
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