初恋しました
「ただいま」
「おかえり兄ちゃんっ」
ドタドタとこっちに来る珀。
母さんの怒る顔が目に浮かぶ。
「図書館行けたか?」
「うん!それでね、お姉ちゃんが手伝ってくれたんだよ」
「お姉ちゃん?」
誰だそれ?
珀の話を聞くと、図書館に行ったはいいが、やっぱりどの本にすればいいか分からず、困っていたらしく。
悩んでいたところに声をかけてくれたのがそのお姉ちゃんらしい。
「お姉ちゃんすごいんだよ。
いっぱい本知っててね、教えてくれたやつ全部おもしろいんだ!」
「へぇ。で、結局本は決まったのか?」
「ううん、まだ。
だから明日もまた会う約束したんだ!」
「そうか。よかったな」
うん!と満面の笑みを浮かべる珀の頭に手を置く。
珀はもともと人懐っこい性格をしているが、ここまで懐くとは。
俺も自然と笑顔になり、いっしょにリビングに向かった。
このあと珀が母さんに怒られたのは余談としておく。