初恋しました
「じゃあいってきまーすっ」
「暗くなる前に帰ってこいよ、ってもういねぇし……」
元気のよすぎる珀に思わず苦笑する。
よっぽど楽しみにしていたんだな。
俺はあと少しで終わりそうな数学のテキストを手にとる。
今日のうちに終わらせるか……
向かい合って数十分とかからないうちに、テーブルに置いていたケータイが震動する。
ディスプレイには今日遊ぶ約束をしていた友人の名前が。
……? どうしたんだ?
どうせ今日会うんだからそのときに話せばいいものを、なぜ今電話?
疑問に思いながらもそれに出る。
「はい」
『あ、志貴か?』
「あぁ。どうした?」
『悪い!今日の約束違う日にしてもいいか?
これから従兄弟が来るらしくてさぁ、家から出られないんだわ』