初恋しました
困ったようにそう聞く女の子にカラカラと珀は笑って。
「いいのいいの!
ね、明日もまたお話聞かせて、お姉ちゃん」
ニッコリと笑顔を浮かべる珀。
そっちを見るように女の子が顔を向けて。
控えめな、例えるなら道に咲いているコスモスのような。
そんな自然なかわいらしい笑顔。
なぜだか、その笑顔に一瞬目を見張る。
「あ、これは?これはおもしろい?」
「うーん、そうだなぁ。
わたしは好きだけど、珀くんにはまだちょっとむずかしいかもしれないな」
「えぇー」
大袈裟に肩を落とす珀を見て、彼女はクスクスと笑みをこぼした。
「それよりは、こっちがおもしろいと思うよ」
「えっ、どんな話!」
「これはね、」
楽しげに話をする2人に釘付けになる。
なんとなく雰囲気を壊してはいけないような気がして。
俺は声をかけずに、そのまま図書館をあとにした。