初恋しました




「おーい……おい志貴、起きてるかー?」


「、あぁ」



急に目の前に現れた顔に驚きながら、何?と返事をする。


なぜかため息をこぼされた。



「どうしたよ。なんかいつものお前らしくねぇよ?」


「そうか?」


「自覚なしかよ」



はぁ、とまたしても大きなため息をこぼされた。



「いいから、早く手を動かせよ」


「おー。分かった分かった」



やれやれ、みたいな感じをしてるが、お前がやってんのは俺の課題を写してることだからな。


全然かっこよくもなんともない。


むしろかっこ悪い。



今度は俺がため息をこぼし、ぼんやりと外を見つめる。


真っ青な空に白い雲。


典型的な夏の天気。


蝉の鳴き声とどこからか聞こえる風鈴の音。


いつもと変わらない景色。





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