初恋しました
その視線に気づかないふりをしながら、俺は課題を片付けていく。
こうなれば図書館に行かざるをえないことを見越して。
「志貴……ヘンなもんでも食った?」
「そんなに俺が外に行くのがおかしいか」
ふざけた感じで言われたなら俺も笑いとばせるけど、その顔は至って真剣。
少しイラッときた。
「だってさ、暑いのが嫌いで用事がなかったらずーっと家にこもってそうなお前が、俺のために図書館だぜ?
絶対おかしいって。いつもの志貴じゃねぇ」
確かに当たってる。
俺が自発的に夏の外に、しかも昼真っ盛りの時間帯に出るなんて俺らしくない。
でも………
「まぁ、そういう気分なんだよ」
「嘘つけぇー」
さんざん問いつめられたが、最終的に俺の課題を盾にとり、拓を黙らせて俺たちは図書館に向かった。