初恋しました
他人事とはいえ、ちょっと無神経じゃないか?
少しは労るなり慰めるなり励ますなりしてほしい。
「まぁまぁ、今は目の前の課題に取り組めって。
俺ら一応受験生だしな」
「拓に言われたくねぇよ」
お前は俺の写してるだけだろう。
そのくせ成績はいい。
努力で成績をキープしている俺と違って、拓はいわゆる天才だ。
のくせに俺のを写す。
その理由は自分で考えるのが面倒だから。
俺の努力を返せ。
受験に失敗しろ。
ため息とともに心の中の鬱憤を吐き出し、俺は体を起こす。
シャーペンを持ち直し、数学の問題集に取りかかった。
少しして、拓がテーブルをコンコンと叩く。
それに気づいて顔をあげると、彼女がマフラーに顔を埋めながら図書館に入ってきたのが見えた。
最近、彼女もよく何かの問題集をしているのを見る。
多分、俺たちと同い年……なんだと思う。
同じ学校に入れるといいな、とニヤケ顔で拓に言われたときは思わず殴った。
でも、そう思っている自分がいることも否定はしない。