君のために歌う歌
歌詞は全部英語で宙子には聞き取れなかった。
しかし、綺麗な夕焼けを思い起こすような曲だった。
観客はみんな少し横に揺れていた気がする。
優しいアルペジオで曲は終わった。
大きな拍手が沸いた。
「ありがとう、影葉陽翔でした、みんな最後まで楽しんでいってください。」
陽翔が片手を上げ、ステージからはけて見えなくなるまで拍手は止まなかった。
会場は暗転し、また薄明かりにBGMが流れた。
陽翔はエフェクターとシールドを片付けに来たが、それらをパッと持つとパッと帰って行ってしまった。