君のために歌う歌
宙子は、気づくと微笑んでいたようだ。


久美が


「なんで笑ってんの?」


と言った。



「え?笑ってた私?」



「笑ってた。やな感じ。」



「ごめん……

あの、ね。3人ともありがとう。

だけど、私、嘘でも、傷ついても、ヒロが好き、みたいなんだ……。」



3人は黙った。




秋乃が、トレーを持って無言で立ち上がった。


真里亜と久美もそれに続く。



「あの!!」


宙子は思い切り立ったため、椅子がバタント大きな音を立てて倒れた。


周りの人がこちらを向いてしまったが、おかげで3人もこちらを向いてくれた。

   
「教えてくれてありがとう!
文化祭、成功させようね!!」



3人は、返事をしなかった。


そして向こうをむいてしまったが、秋乃は手を上げてヒラヒラとふった。
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