彼と私の事情
「毎日一緒に過ごすうちに、手放したくなくなって。
逃げないとはわかっていたけど、鍵を渡せなくて。
いなくなったら俺がショックを受けるのをわかっていたから。

風邪を引いた時も、あのときみたく居なくなってしまうんじゃないかと不安になって。

でも無事に帰ってきたので凄くほっとした。

だからこそ。帰った時はショックだった。

お前は俺のこと必要ないんじゃないかって。

俺はお前が必要だ。」

そこで彼が深呼吸をした。私も息を飲んだ。

「真那。お前が好きだ。

引っ越すなら…この部屋に引っ越してこい。」

「…いいんですか…?

私でいいんですか…?」

泣いてぐしゃぐしゃな顔の私を抱きしめて、

「お前がいい。」

一言でもう涙腺が完全崩壊して、わんわん子供みたく泣いてしまった。
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