赤いエスプレッソをのせて
その瞳が、どうしますか? と訊ねてきていた。千代を消す治療を続けるのか……。

さっきの例え話は、私のことだ。

生まれつき病弱というのは、肩に妹を見るという異常のこと。

気付かないというのは、けれど千代の存在は私にとって不思議なものではない、ということ。

思えば精神科へ行くことになったのは、知人から強制的のことだった。

無理やり押し付けられて渋々。

そうして仲代先生に会い、話を聞いているうちに、本当にいなくなるんなら儲けもんかなという程度の気持ちで受診を続けていたんだ。

千代のことなんて、いてもいなくても、正直なところどうでもいいのかもしれなかった。

とりあえず、消してくれるって言うから受けてた……それだけよ。

「……」

「…………どう、します?」

と、仲代先生。
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