赤いエスプレッソをのせて




病院からの帰り道は、いつも決めている。

『四季の広場』っていう、年中無休で季節折々の花が咲き乱れる公園に寄っていくんだ。

ちなみに、仲代先生にまた今度来てくれと言われてしまった。

やはり私は、あらゆる方面で、やばいわね。

桜が過ぎたこの時期はツツジが綺麗だということを、私は知ってる。

そりゃあ当然、これから行く『四季の広場』の常連なのだから。

――といっても、ここは人気が高いし、ベンチや、ちょっと奥のほうへ行けば運動公園や小川なんかもあって、地元の人間からすると『暇さえあればだれもが来る』場所だから、えらそうなことは言えないんだけどね。

「やっぱ綺麗よねー、アンタもそう思わない?」

白や桃色、赤に咲き乱れるツツジから目を外し、肩に振り返ったけど、やっぱり千代はなにも言わない。

「アンタってほんと、やっぱり、どこまでも無愛想」

小さく鼻を鳴らしてやると、千代はなにも言わず、ふと、右肩から左肩に移った。

別に重くない。彼女はそこに見えるのであって、そこに存在しているんじゃないから。
< 30 / 183 >

この作品をシェア

pagetop