赤いエスプレッソをのせて
家事は苦手ではないし、料理だっていっぱしに作れる私だけど、とにかく朝が苦手なせいで、起きてみたらこんな時刻なんてのはしょっちゅうだ。

ま、焦ることじゃないかな、というしょうもない心持ちの私だったりする。

まあ、私は気にしちゃいないのだけど、どうにも、今まで付き合った男はみんな、こんな私が気に入らないらしい。

彼らに妹の幽霊が見えてるというわけでもないのに、みんなみんな、話を聞いただけで顔を青ざめさせるのだ。

    ダラシ
まったく根性がない。少しは人の話を聞いたらどうなのよ。

「そうだ、テレビつけてくんない? ――って無理よね、アンタじゃ。

――ったく、生きてる時は美代ネエ美代ネエって甘えてたんだから、ちょっとは私にも甘えさせなさいよ。アンタってサービス足りないわよ?」
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