夜ー闇に隠された瞳の奥ー
「あ、みずな。鈴木組ってのはね…」
「知ってる」
龍太は、私が族や組みのことはなにもわからないとでも思ったのだろう。
わざわざ鈴木組について説明してくれようとした。
「銃などの武器を使い、薬をやっているやつもいる。最悪で汚い組。その汚さで世界No.3まで登りつめた。……………だろ?」
そして憎い憎い組。
私がそう言うと、みんな驚いた。
だろうね、みんな。
私が族や組のことはなにも知らない、ただの男だと思ってるだろうからね。いや、女か。
「………知ってたのか。」
龍太や、他の人が驚く中。
夏の目だけは違った。
夏は近くにあった灰皿を持つと、私に勢いよく投げてきた。
…パシッ
私は反射的に灰皿をキャッチした。
「………なんだ。」
私は訳が分からず夏を睨む。
それに比べ夏は
「………やっぱな」
と頷いている。
みんな"?"状態だ。
いや、驚きの表情もあるな。
私があの速さの灰皿をキャッチしたから。
でも、灰皿って当たると痛いからキャッチした。
それは間違った判断ではないはず。
「可笑しいと思ったんだ。」
夏は口を開く。
「最初、俺らと会った時。俺らが夜と知ったのに驚きもしない。それに屋上から飛び降りる。
バイクに乗るとき、俺の腰にお前手ぇ回すだろ?その腕が、細せぇくせにヤケに筋肉質。
それに今の灰皿。普通のやつじゃキャッチなんざできねぇ。反射神経が相当なきゃな。
これで全部繋がった。
お前、喧嘩できんだろ?」
夏の言葉に、誰かの息を呑む音が聞こえた。
「………ふっ。」
私は息を漏らした。
そして
「………できるよ」
と言った。
「みずな………」
治矢は声を漏らす。
「おれも可笑しいとおもった。ファミレスん時、みずなの腕触ってたら筋肉すげぇついてるし。こんなヒョロいのにって」
龍太が言う。
「………驚きました。喧嘩、出来るんですね」
直気も言う。