私の仕事と結婚
「桜井さん、うちは今まで住宅設計が中心で、内装も何とかごまかしごまかしやってきたんだ。でも今日みたいな施主さんに当たった時は、外注でフリーのインテリアデザイナーに来てもらってる。 今日は内装よりも構造面で…って話だったんだけど、内装を理解してないと出来ない話になってしまった。つくづく自分は図面を引く人間なんだと実感したよ。本当に助かった。ありがとう。」

さすがに兄弟、典弘と笑顔が似ている。

「お役に立てたみたいで、嬉しいです。」

私もそう言ってもらうと、今まで勉強して来た事が報われる気がする。

「典弘がここを手伝ってくれる事になったから、これからは店舗も手掛けていきたいと思ってるんだ。一緒に働かない?」

「兄貴、歩夢はまだ…。」

チラッと典弘は私を見る。

「きっとメーカーさんの枠の中でこの仕事をしているより、設計事務所でより施主さんの希望に沿う物を作っていく方が、あなたには合っているような気がするんだけど。桜井さんに会う前から、典弘からあなたの仕事ぶりを聞いていて、そんな気がしていた。さっきので、その予感は間違ってなかったと確信したんだけど、どうかな?」

典弘とお兄さんと二人に顔を覗かれる。

そこへ馬場さんが出て来て、声をかけてくれた。
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