私の仕事と結婚
「試作品を工場研修で見たけど、ちゃんと現場に設置してあるのは始めて見た。」

典弘が口を開く。

「すごくラッキーだった。」

私も頷く。

するとくすくす笑い出す典弘。

「あんなに必死にじろじろ見て…、絶対住宅関係に勤めてるってばれたよな。」

「私のせい?」

「それぐらい熱心に見てたよな。しかもジョイント部分とか一般の人では見ないような所も。」

「ごめん。」

私は完全に自分の世界に入り込んでいたみたい。

「そんな歩夢に惚れたから、文句なんてないよ。俺と一緒に居るのを忘れられるのは、勘弁してほしいけど。」

「典弘の事を忘れた事はないわよ、さすがに。」
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