私の仕事と結婚
その答えにきょとんとする典弘。

「何?」

「初めて名前呼んでくれたから…、嬉しい。」

私にガバッと抱き着く典弘。

いつも自分の中ではそう呼んでいたけど、口に出して典弘の前で言ったのは初めてかな?

それより…。

「ねぇ、人が見てるって。恥ずかしいよ。」

突然の事に周りの人も驚いているようで、私達をチラチラと見て通り過ぎていく。

私はじたばたと抵抗をするけれど、とても男の人の力には適わない。

「周りなんてどうでもいい。」

そういう典弘の声に私も抵抗をやめた。

私は典弘の気が済むまで、そのままでいた。










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