9歳差は、アリですか?
「ーーー好きですけど。ていうかなんでこんなこと課長に言わなきゃ、」
「そっか。じゃあ、やっぱりプレゼントは自分で渡した方がいいと思うけど」
「…渡せないからお願いしようと思った、ってさっき言ったじゃないですか」
「何で?渡そうと思えば渡せる機会いくらでもあるでしょう?」
「ありませんよ。家も知らないし、学校には部外者は浮いてて乗り込めないし、駅で待ち伏せはちょっと方向性がおかしいですし」

立原の言い訳のような正論を聞きながら笹山は軽く相槌をうち、立原が言い終わったところでしっかり目を見据えてきた。

「じゃあ、…機会があれば自分で渡すの?」
「機会があれば、ですけど。本当はーーー自分で渡したいですし」

不意に尋ねられた質問に本音が漏れる。本当は嫌われていても自分で渡して、告白したかった。それが無理だから、笹山で甘んじようと思っていたのにだいぶ失礼な男だ。
むっとして笹山を見る。浅岡に会うのが気まずいとかいう逃げからお願いしようとした訳ではないのだが、通じていなかったようだ。

「年が離れているから、悠くん高校生だから、会いたくても会えないんですよ。そんな無茶言わないでください」
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