9歳差は、アリですか?
社宅の笹山の部屋から出て、呼吸を深くする。あと一カ月頑張ろう、それでちゃんと悠くんに謝って、告白して、振られて、諦めよう。
おそらく、振られないと諦められない。浅岡は優しいから曖昧にするのは目に見える。
「好き。ごめんね」
小さく浅岡に呟き階段を降りる。自分の部屋に入り、2カ月で染み込んだ立原のアロマの香りを吸い込んだ。なんとなく笹山のコロンが移っている気がして服を脱いで洗濯機に入れた。
シャワーも軽く浴びて、ベットに潜る。東京イコール浅岡は嫌ではなくなっていた。笹山に告白されたせいかもしれないが憂鬱ではない。
✳︎
駅で始発の新幹線に乗るが、昨日の今日で寝不足だ。うとうとしながら乗り込む。指定なので隣が笹山だが、気にならない。寝ていれば口説くことも出来ないだろう。
「おはよう、立原さん」
「はあ、おはようございます」
適当に返し座席に座るなり笹山を無視して目を閉じた。
ここでふと浅岡がよぎる。まだ付き合っていたら片平の時のように笹山を見て妬いてくれただろうか。
あの時は本当にきつく抱きしめたいくらい嬉しかった。もう付き合ってはいないのでそういうことにもならないだろうし、まず会わないだろうが。きゅっと胸が締め付けられる思いだ。これが恋なのか、初めて感じたということは厳密な初恋は浅岡ということになるのだろうか。どうでもいいことを思いながら、眠りにつく。
おそらく、振られないと諦められない。浅岡は優しいから曖昧にするのは目に見える。
「好き。ごめんね」
小さく浅岡に呟き階段を降りる。自分の部屋に入り、2カ月で染み込んだ立原のアロマの香りを吸い込んだ。なんとなく笹山のコロンが移っている気がして服を脱いで洗濯機に入れた。
シャワーも軽く浴びて、ベットに潜る。東京イコール浅岡は嫌ではなくなっていた。笹山に告白されたせいかもしれないが憂鬱ではない。
✳︎
駅で始発の新幹線に乗るが、昨日の今日で寝不足だ。うとうとしながら乗り込む。指定なので隣が笹山だが、気にならない。寝ていれば口説くことも出来ないだろう。
「おはよう、立原さん」
「はあ、おはようございます」
適当に返し座席に座るなり笹山を無視して目を閉じた。
ここでふと浅岡がよぎる。まだ付き合っていたら片平の時のように笹山を見て妬いてくれただろうか。
あの時は本当にきつく抱きしめたいくらい嬉しかった。もう付き合ってはいないのでそういうことにもならないだろうし、まず会わないだろうが。きゅっと胸が締め付けられる思いだ。これが恋なのか、初めて感じたということは厳密な初恋は浅岡ということになるのだろうか。どうでもいいことを思いながら、眠りにつく。