LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
海牙が苦笑いを浮かべた。
「友達になれるかどうかは、未確定ですよ。
今日これからの話次第、ってとこですかね。
まあ、とにかく。
彼らを総統のところへお連れしてきます」
「おお、そうか。
引き留めて、すまんな」
アジュは、前肢の片方を軽く挙げて、立ち去った。
海牙が歩き出しながら言った。
「気さくな人でしょ、アジュさん。
これから夜勤なんですよ。
守衛の仕事に就くときは、あの姿なんです。
普段は人間の姿で生活しています」
犬にありがちな匂いが、そういえば、しなかった。
「ここには、能力者がたくさんいるのか?」
「一定数は、いますよ」