LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


海牙が世良に会釈して、再び歩き出す。

世良の脇を通り過ぎるとき。

ピリリ、と神経が緊張した。


「…………ッ!?」


巧妙に隠されている。

でも、確かに。

世良は殺気を抱えている。


目が合ったのは一瞬だった。

世良は深い礼をした。

オレは世良のそばを離れた。


十分に距離を置いてから、海牙が息をついた。


「大人げないところがあるんですよね。

世良昌平【しょうへい】さん、確か25歳。

ぼくは嫌われてるみたいです」

「嫌われてる、か?

それ以上じゃないのか?」

「さあ?

彼なりに必死なのは伝わってくるんです。

彼の兄貴分がまた必死な人でね。

総統のお目に叶いたいって、頑張りすぎててね」


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