LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


男が名乗った。


「私の名は、平井鉄真【ひらい・てっしん】。

きみたちのことは、いくらか知っているよ。

ご足労、ありがとう」


朗々とした声。

風格、威厳。

圧倒されそうになる。

年齢は、50歳くらいか?


平井がオレを見た。

整った顔に、ゆったりした笑みがある。


「48歳だよ。

きみの父君が生きていれば、私より4つ年下だ」

「なっ……?」


思ったことを読まれた?


平井が、オレたちを順繰りに見やった。

鈴蘭が目を伏せた。

師央が息を呑んだ。

理仁が眉をひそめた。

3人の様子を確認して、オレは平井に向き直った。

平井がオレにうなずいた。


「伊呂波煥【いろは・あきら】くんだな。

きみはいい目をしている」


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