誰よりも、君が好き
…よしっ、今度こそ…!
扉に手を伸ばし……
っ、でもやっぱりまだ…
さっきから何度も繰り返しているこの行動。
もういい加減私不審者だよね、通報されたりしないかな。
もう一度だけ。
そう、心のなかで呟く。
「ハアアアアアアアアアアアアアア」
息を、極限まで吐き出して。
扉に手をかけたその時。
ガラッ
「あっ、悠ー!」
「えっ……」
突然開いた扉の先。
こちらに笑顔を投げかけるのは、他でもないあかり本人だった。