誰よりも、君が好き

すると、彼は呆れたように私を見つめてきた。




えぇ!!?


私はただ思ったことを聞いてみただけだよ!!?






でも、返ってきたのは意外な言葉だった。





『……さぁな』





もっと、冷たく返されるかなって思ってて。


それでいて、

「優しくなんてするわけねーだろ?」

って、意地悪く言われるんだって。


思っていたから。






私が彼をまじまじと見ていると、

なんだよ

って睨まれたから、やめたけど。





……やっぱり、結城くんはそんなに悪い人じゃないと思うんだ。









『あと、匠な。』



『へ??』



『…っだから!!

　俺のこと、結城くんじゃなくて、匠って呼べよ。』




ひぇぇ!!!


私が鈍いから、怒らせちゃったのかな…






正直、名前で呼ぶのには抵抗がある。




でもこれもきっと、”命令”の１つだから、従う他は無いのだろう。