誰よりも、君が好き
「…は?」
なんだそりゃ。
人のこと誘っておいて、その態度っておかしいでしょ。
いい加減、私だって怒るんだからね……?
「ねぇ!!」
私はぐんぐん前へ進んでいく匠くんの背中を追いかけ、
なんとか制服の裾を掴んだ。
「誘ってきたのはそっちでしょ?
命令だかなんだか知らないけど、私を弄ぶような真似しないで
……そんな匠くんなんか、嫌いだよっ!!」
嫌だった。
優しい匠くんが良かった。
意地悪な匠くんは、嫌だった。
…なんだか、胸が苦しくなって、
気づけば私は彼の胸のなかにいた。