誰よりも、君が好き
その後、歩いていくとそれは駅とは真逆の方向で。
「これから、どこいくの?」
さっきの出来事があってから、私は初めて匠くんに話しかけた。
匠くんもさっきのことなんか、まるでなかったように答えた。
「どこでもいいだろ。
黙ってついてくりゃいいんだよ。」
…おかしいかな。
ついさっき、嫌だと思っていたこんな言葉も。
なんだか温かく感じてしまう私は。
忘れろなんて言われたけど……
忘れられるわけ、ないじゃん。
ポケットに手を突っ込んで、少しだけ前を歩く君を見つめてそんなことを考える。