誰よりも、君が好き
…それにしても、不思議だ。
勉強も抜群にできる。
もちろん成績もいい。
制服だって、それこそ着くずしていないものの、
黒髪で長身の、かっこいい匠くんが着ていると、まるで他とは別のようにかっこよく見えてしまう。
そんな、あらゆる面から恵まれている彼が、まぜこんな性格を持ってしまったのか。
ふと、興味が湧いてきた。
「ねぇ、匠くん。」
後ろからひょこっと顔を覗かせ声をかけると、
少し面倒くさそうにして私の方を向いた。
「匠くんは、なんでみんなの前では猫をかぶっているの?」
…言い方は悪いものの、
言ってしまえばそういう、”猫かぶり”にはいるよね!?