銀猫ー最強歌姫の再来ー
 そんな疑問を胸に、奏雨は奈都の後について行った。

 今、奏雨は奈都と陽樹の2人に挟まれる形になりながらも廊下を歩いている。

 奈都はただ奏雨を教室へ案内する為に奏雨の前を歩いている。

 時々見せる横顔はどこか警戒しているようだった。

 そして、奈都は腕を組んでいる。

 人間が腕を組んでいる時は警戒心を露わにしている証拠。

 自分を守る防御態勢のようなものだ。

 でも、誰に、何に警戒しているのかがわからない。

 陽樹も、自然な歩きで奏雨の後ろを歩くが、チラリと奏雨が後ろを振り返ると、陽樹の表情もどこか険しく見えた。

 そして、陽樹も腕を組んでいた。

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