君と二人で奏でる音




後ろに構えていた手をばっと前につきだす。






「これ…今日、バレンタインだから。」







震えそうな声を必死に抑えてなんとか言葉を紡いでいく。





「そっか。
 わざわざありがとな!!」







透は私の手の中からスッとものを取ると、満面の笑みでそう言った。






「でも、今年はもらえないと思ってた。」






…そう言ったのは、透。





今年は、というのも、去年までも私が透にチョコをあげていたことを指しているのだろう。








透は頭をポリポリとかきながら、照れ臭そうにこう言う。





「…なんか最近避けられてるっぽいから、嫌われたのかと思ってた。


 すげー嬉しい。」







もう一度微笑んだ君の顔はどこか赤くなっていて。



それが私の胸を打ち付ける。









決心を揺るがせないように、私はしっかりと透の瞳を捕らえながら言う。







「…でも、今年はいつもとは違うんだ」






透はどういうこと?と聞きたげだ。




…今、言うから。









「…それは、本命チョコなの。


 私、ずっとずっと透のことが好きだった。

 私と、付き合って…!!」








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