真っ赤なお伽話
つらかっただろうね。赤嶺さん。
僕は君の事が大嫌いだったよ。
いつでも明るく振る舞おうと。
誰も傷つけまいと。



いつかは、化けの皮を剥がすと思ったんだ。だけど、君は化けの皮を剥がすよりも死を選んだ。
人は弱いと評するかもしれない。だけど、僕は君に英雄の称号を与えようじゃないか。
英雄の闇に当たる部分は全部僕が持ってあげよう。それが僕の追悼の意とさせてもらう。
「斎藤さん・・・あのギャル達の名前を教えてくれないかい?」
赤嶺さんの通夜を終えて、僕は斎藤さんと一緒に帰っていた。
この街はそれほど都会でもないので、夜10時現在車通りすらまばらであった。
「えっと、金髪で肌が黒くて倖田くみ似のが江藤 しずる。茶髪で白肌の、あんまり派手じゃない普通の子が為定 良美で。茶髪にピンクのメッシュの上戸彩似のが富野 節子。」

「ありがとう。」

「・・・何を、考えてるの?」
斎藤さんは、僕の一歩先で立ち止まる。ただじっと僕を見つめる瞳は、力強くはないものの揺るぎない何かを有していた。
「あたしは、赤嶺さんは復讐とか・・・望んでな・・・」
「勘違いは止してくれ。」

空を見上げると、黒のペンキをぶちまけた中に星がいくつも散りばめられ輝いている。
僕は赤嶺さんに語り掛けるように言葉を続けた。
「僕は自分の中にある苛立ちを解消したいだけなんだよ。」
その言葉は、嘘かもしれないし本当かもしれない。どっちかはわからないが、とにかく決めたんだ。
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