真っ赤なお伽話
「いやいや、君は本当に汚い人間だね。」
「はぁ?何言って…」
「まさか汚くないとでもいうのかい?言葉の上では『〜のため』と『〜のせい』には違いがあるように見えるけどそれは君のエゴから来るものなのじゃにゃいのかい?」
ここからが大事だ。畳み掛けろ、言葉の乱打を浴びせ続けろ。噛んだのなんて気にするな。
「しかも、あげくのはてに赤嶺さんを殺しておいて。僕は人殺しを容認できないんだよ。人を殺した奴は殺される以上の苦痛を味わうべきだ。」
「あ、あたしじゃないわよ!」
ビンゴか。赤嶺さんの単語を出したとたん動揺が強く現れた。
「どこがだい?まさか、赤嶺さんを殺したのは君達ではないと?はっ!じゃあ、君はあれか。世の中を震撼させた殺人鬼が居たとしたら、悪いのはその殺人鬼ではなくそいつが使った包丁とでも言うのかい?勘弁しておくれよ、為定さん。君はわけわからない理屈押し通そうとする6歳児かい?考えてくれたまえ。もし君達が居なかったら赤嶺さんは自殺なんてしだろうか?」
「あ、あんた達が居なければ死ななかったじゃない!」
「赤嶺さんはあの性格だ、たとえ斉藤さんじゃない誰かがいじめられても守ってただろうよ。それに僕なんておまけだ。」
いや、おまけ以下の存在だ。
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