真っ赤なお伽話
「それなのに君達は図々しくも生き残っている。まるでゴキブリのようだね。特に君はさっきから何かと『あんた達が謝れば』なんて連呼しているけど恥ずかしくないのかい?ごみ以下の価値しかない癖して。」
「うるさっ…」
「『私を殺すの?』だっけ?うん、その提案も悪くない。60点だ。単位は認定しよう。だけど成績としては人並み以下だね。さっきも言ったけど人を殺すのは最低の行動だ。どんな理由があろうとも。」
「うるさいのよッッッッッッッ!!!!!!あんたに何がわかんのよ!節子が言ったことは絶対なのよ!あの子は、もし私が梨香をいじめるの嫌がったら私をターゲットにするような子なの!、あんたみたいにコミュニケーション能力が欠けた奴にはわかんないのよ!」
「為定さん…」
「そうよ!全ての原因は私たちよ!だけど、本当の原因はあの子にあんのよ!?あの子は昔からそうだった!マントルの中心には自分が居るとでも思ってんじゃないのかしら!?二言目には『私は』と口にすんのよ。毎日毎日ご機嫌ばっかうかがう私の気持ちがあんたにわかるの?」
「ご協力どうもありがとう。そして、こういうことだよ、富野さん。」
僕はポケットに入れておいた録音機の停止ボタンを押し後ろを振り返る。
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