真っ赤なお伽話
富野さんは悲しげな表情を浮かべ居場所をなくしたかのように立ち尽くしていた。
「せ、節子…」
「そ、そうだったんだ良美…」
時間軸で言うと昼休みの事、僕は富野さんを呼び出した。為定さんと同様に話をしていたわけだが富野さんの場合は違かった。富野さんは坂東さんと為定さんをかばうような台詞を言っていたのだ。僕と為定さんの会話を聞かせ精神的に致命傷を負わせるのが僕の作戦である。そして、それは見事に成功した。
「あ…うあ…」
えさを求める鯉のように口をぱくぱくさせる為定さん。突如許しを請うように謝罪の言葉を吐き出す。
「ち、違うの!私はこの場をきり抜ける…」
「あんたはいつもそうよね。自分の保身しか考えない。中学のときもいつも私にテストの自慢をしてきた。それで一回仕返ししてやろうと、自慢仕返したら突然キレ始めるし。自分は常に被害者みたいな態度ばっか取って。本当に汚いわ、楠野の言うとおりよ。」
ここから先はあの二人の問題だ。こっちとしてはあの三人が赤嶺さんを追い込んだ証拠も取れたし、仲間割れも仕掛けられたので結果は上々だろう。僕は二人を残して屋上を出て階段を下りていく。うっすらと暗がりの中で踊り場にたつ一人の女が視界に入った。
「これで約束は守ってくれるかしら、楠野?」
「任しておいて。ぼくは結構義理堅い人間なんだよ、坂東さん。」
「せ、節子…」
「そ、そうだったんだ良美…」
時間軸で言うと昼休みの事、僕は富野さんを呼び出した。為定さんと同様に話をしていたわけだが富野さんの場合は違かった。富野さんは坂東さんと為定さんをかばうような台詞を言っていたのだ。僕と為定さんの会話を聞かせ精神的に致命傷を負わせるのが僕の作戦である。そして、それは見事に成功した。
「あ…うあ…」
えさを求める鯉のように口をぱくぱくさせる為定さん。突如許しを請うように謝罪の言葉を吐き出す。
「ち、違うの!私はこの場をきり抜ける…」
「あんたはいつもそうよね。自分の保身しか考えない。中学のときもいつも私にテストの自慢をしてきた。それで一回仕返ししてやろうと、自慢仕返したら突然キレ始めるし。自分は常に被害者みたいな態度ばっか取って。本当に汚いわ、楠野の言うとおりよ。」
ここから先はあの二人の問題だ。こっちとしてはあの三人が赤嶺さんを追い込んだ証拠も取れたし、仲間割れも仕掛けられたので結果は上々だろう。僕は二人を残して屋上を出て階段を下りていく。うっすらと暗がりの中で踊り場にたつ一人の女が視界に入った。
「これで約束は守ってくれるかしら、楠野?」
「任しておいて。ぼくは結構義理堅い人間なんだよ、坂東さん。」