真っ赤なお伽話
「え、いやそういうわけでは…」
「仕方がない!仕方がないんだよ、楠野君!いつでも年上のカビ臭い思い出話など疎ましいものだ!しかし、ここで大事なのは君が僕の話を聞かずに何を考えていたのかという問題に焦点が定まる!」
「いや、そのですね…」
「そう恐らく君はこう考えていたのだろう!『あぁ、まためんどくさい仕事を押し付けられるのだろうか。どうやって煙に巻こうか。』と。君の気持ちはすごくわかるよ!ただ…ただだ…若いうちは苦労は買ってでもすべきなんだよ、楠野君!こっちとしても本来の目的を果たさないわけには行かないんだ!」
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