真っ赤なお伽話
―――――――その三日後の昼休みの屋上。激しい後悔の波が僕の体に打ち寄せる。頼まれてから三日間、色々思考して志向を立て実行しようと考えたのだが思考の時点でレールは途切れた。
周りでは僕の気持ちなど露知らず、喚き声をちらかしながら同級生がバレーボールに興じていた。6月の終わり。神が惜しげもなく涙を流す日々は終わりを告げ、鬱陶しいぐらいに日が照っている。
「実際僕にそういう犯人探しだとかは向いてないんだよ…僕に出来ることなんて言葉遊びや脆い策を立てるぐらいなのだから…」
自分の脇においてある封筒に目を遣り、中身を取り出す。それは源内さんに渡された今回の事件に関するデータであった。幾千回も確認したが念の為(そして、こんなくだらない小説を読んでいただいている偉大なる読者のため)もう一度確認する。
「今回の事件における被害者は10人。被害者に共通点と言えるような物はなく老若男女さまざまである。一人目の被害者・久留米 美咲・27歳OL。咽に深さ5cmほどの刺し傷ねぇ。…ん?5cm?二人目の被害者は藤堂 誠・52歳会社員。銃創が三箇所。出血多量により死亡。あーはいはい。そー言うことね。はいはい。」うん。やはり読み返すことは大事だ。少し犯人像が絞れてきた。やっと一歩、いや半歩ってところだな。
周りでは僕の気持ちなど露知らず、喚き声をちらかしながら同級生がバレーボールに興じていた。6月の終わり。神が惜しげもなく涙を流す日々は終わりを告げ、鬱陶しいぐらいに日が照っている。
「実際僕にそういう犯人探しだとかは向いてないんだよ…僕に出来ることなんて言葉遊びや脆い策を立てるぐらいなのだから…」
自分の脇においてある封筒に目を遣り、中身を取り出す。それは源内さんに渡された今回の事件に関するデータであった。幾千回も確認したが念の為(そして、こんなくだらない小説を読んでいただいている偉大なる読者のため)もう一度確認する。
「今回の事件における被害者は10人。被害者に共通点と言えるような物はなく老若男女さまざまである。一人目の被害者・久留米 美咲・27歳OL。咽に深さ5cmほどの刺し傷ねぇ。…ん?5cm?二人目の被害者は藤堂 誠・52歳会社員。銃創が三箇所。出血多量により死亡。あーはいはい。そー言うことね。はいはい。」うん。やはり読み返すことは大事だ。少し犯人像が絞れてきた。やっと一歩、いや半歩ってところだな。