いと。

昨日のようにエントランス横に車を止めた薫は、

「今日はちゃんと送る。」

そう言って微笑んで私の荷物を持ち、夏の日差しの強い外へと車を降りた。

「……………。」

助手席のドアを開け、薫に続いて車を降りた私をエスコートするように添えられた大きな骨ばった手は、フラついて心許ない背中をしっかりと支えてくれて…そのまま部屋に入るまで離されることはなかった。



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