いと。
夏の暑さも本格的になった頃、いつものように仕事を終え家路を急いだ。
ポイントインが定休だったこの日は私の帰宅に合わせて薫が来ることになっていたから。
私たちはお互いの合鍵を持たない。
決して勝手に部屋に入って欲しくないわけではない。お互い店舗に立つ仕事をしていることや距離もさほど遠くないこともあり、必要があればいつでもすぐに受け渡しができたから、それでよかった。
暑苦しい夜風が肌に纏わりつくのを鬱陶しく思いながらも、薫に会うためと自然と足取りは軽くなる。
昨日だって会っているというのに、また逢いたい。
私の彼に対する想いはいつも、これ以上ないくらい心を満たしていた。