いと。
外はうだるように暑い。纏わり付くような湿気もあり、私なら外に出るのも億劫な中お客さんはLINKに来てくれている。
アロマ、食器、キッチンツールにインテリア。その他にも色々。
飾る楽しみ、使う喜び、贈る幸せ…それらを求めにやってきてくれる。
開店から10年。私が尊敬する店長が心を込めて努力を重ねて作り上げてきたお店だ。
誰より勉強して、誰より研究して、感性をめいっぱい広げて築いてきたお店だ。
それを、私に任せるなんて。しかも私の上にはひとり先輩スタッフがいる。
「このお店を…ですか?そんな大役私にはっ!加奈子さんもいますし!…それに、店長はどうするんですか?」
驚いて思わず後ずさってしまった私の反応は店長にとっては想定内だったらしく、柔らかい笑みを浮かべた後に話をこう続けた。
「あのね、新店舗を出そうと思ってるの。場所も決めてあるし、動き始めてる。そっちは加奈ちゃんにやってもらうの。了承済みよ。
私はそっちの方が軌道にのるまで数年は重点を置きたいし…。あ、もちろんこっちもぬかりなく目は光らせるわよ。
…そうね、言い方を変えるわ。
私と一緒にLINKを作って欲しい。私はしばらく裏方を徹底するからあなたには表を守って欲しい。あなたが最適なの。他には頼めないわ。
あなたの仕事に対する努力、感性、器用さや手際。ずっと見てきたわ。それをもっと使ってこの店を作っていって欲しいの。
…いずれは自分のお店持ちたいんでしょう?
その勉強という意味でもいい機会だと思うの。……どう?」
そんな風に私を評価してくれるなんて思ってもみなかった。
「…お店を持ちたいなんて私言ってましたっけ?」
「あら、多久島さんが言ってたわよ。
『漠然としてるけどいつかって思ってるはずだ』って。」
「……………。」
薫………。そんな話をしてたんだ。
「眞城さん?」
「わかりました。頑張ります。よろしくお願いします。」