いと。
「…………結衣。」
それは……、愛と出逢う前に数年間付き合っていた女だった。
突然、しかもここに来るなんて。
「………なんでここが俺の店だって知ってるんだ?誰に聞いた?」
「そんなことどうでもいいわ。会いたいから来たの。時間、ちょうだい?」
栗色の髪と女性らしいふわっとした印象は、以前より更に柔らかくなった気がする。
「……わかったよ。少しなら。…入る?」
鍵を開け、チリンと扉を開いて中へと促す。
「そうね。」
結衣は当然のようにそう言って店に入った。