いと。
私が中学に上がった頃建てられた家は父に似合わず洋館風の造りで、白く塗られた塀やアーチ型の門、広い庭に施され綺麗に手入れをされたガーデニングはまるで母を追い出したことをカモフラージュするように見えて酷く滑稽だった。
勝手口を乱暴に開け玄関チャイムを鳴らすと出たのは以前からいるお手伝いの女性だった。
私が名前を告げると『まぁ!』と声を上げた彼女は急いで鍵を開けに来て『お久しぶりです』とか『お元気そうで』とか言ったけれど、そんなのどうでもよかった。